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ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者、プリゴジン氏が、自分たちの拠点がロシア軍に攻撃されたと主張し、報復宣言をしたというニュースが話題になっています。

ロシア当局は、ワグネルがウクライナ侵攻に加わっているとして、「反乱」として捜査を開始したということです。

では、ワグネルとはどんな組織なのでしょうか？どんな背景や目的があるのでしょうか？この記事では、ワグネルについて解説します。

ワグネルとは

ワグネルは、ロシアの民間軍事会社です。正式な名称はありませんが、創設者のプリゴジン氏がドイツの作曲家リヒャルト・ワーグナーのファンだったことから、この名前で呼ばれています。

プリゴジン氏は、ロシアの大統領プーチン氏と親しい実業家で、「プーチンのシェフ」とも呼ばれています。彼は、ロシア政府や軍と密接な関係を持ち、様々な国や地域で秘密裏に軍事活動を行っています。

ワグネルは、正式にはロシア政府や軍とは無関係であり、民間企業として登録されていません。しかし、実際にはロシア政府や軍から資金や装備を受け取り、指示や支援を受けています。そのため、ワグネルは「影の軍隊」とも呼ばれています。

ロシア軍とワグネルの関係

ロシア政府や軍は、ワグネルを利用して、国際法や国内法に縛られずに軍事活動を行っています。例えば、シリアやリビアでは、ロシア政府が支援する勢力にワグネルの兵士を派遣し、戦闘や訓練を行っています。また、中央アフリカ共和国やスーダンでは、鉱物資源の確保や治安維持のためにワグネルが活動しています。

しかし、ロシア政府や軍は、公式にはワグネルの存在や活動を認めていません。もし、ワグネルの兵士が戦死や捕虜になった場合も、ロシア政府や軍は責任を負わず、遺族への補償も行いません。そのため、ワグネルの兵士は「消える兵士」とも呼ばれています。

ウクライナ侵攻におけるワグネルの役割

ワグネルは、2014年にロシアが一方的に併合したウクライナ南部クリミア半島で、ロシア軍の黒海艦隊の基地を守るために活動しています。また、ウクライナ東部のドネツクやルガンスクなどで、ロシアによる分離主義勢力と戦うウクライナ軍に対して、攻撃や妨害を行っています。

最近では、ロシアがウクライナ国境に大規模な軍事演習を行い、ウクライナ侵攻の可能性が高まっています。その中で、ワグネルは、ロシア軍の先鋒として、ウクライナ領内に侵入し、ウクライナ軍の拠点や施設を攻撃する計画があるという情報が流れています。

ロシア当局の捜査や対応

しかし、ワグネルの創設者プリゴジン氏は、自分たちの拠点がロシア軍に攻撃されたと主張しています。彼は、ロシア軍がワグネルの兵士を殺害し、装備や資料を奪ったと言っています。また、ロシア政府や軍に対して、「徹底的にやる準備はできている」と報復宣言をしています。

ロシア当局は、プリゴジン氏の主張を否定し、「事実ではない」と発表しています。また、ロシア当局は、「反乱」としてプリゴジン氏やワグネルの兵士を捜査することを開始したということです。ロシア当局は、ワグネルがウクライナ侵攻に加わることを阻止しようとしているとみられます。

国際社会からの見方

国際社会からは、ワグネルはロシア政府や軍の傀儡（かいらい）であり、人権侵害や戦争犯罪を行っていると非難されています。特に、ウクライナ政府や欧米諸国は、ワグネルがウクライナ領内で活動することを強く反対し、制裁や圧力をかけています。

一方で、ロシア政府や軍は、国際法や国内法に縛られずに軍事活動を行うことができるという利点もあります。また、ワグネルは安価で高度な戦闘能力を持つ兵士を提供することができるため、ロシア以外の国や勢力からも需要があるということです。

まとめ

この記事では、ロシアの民間軍事会社ワグネルについて解説しました。ワグネルは、ロシア政府や軍と密接な関係を持ちながらも、正式には無関係であり、「影の軍隊」と呼ばれています。現在は、ウクライナ侵攻に関与する可能性が高まっており、ロシア軍と対立したり、「反乱」として捜査されたりする危機に直面しています。

このニュースは、国際情勢や軍事問題に関心のある人にとっては注目すべきものだと思います。ワグネルの存在や活動について、今後も注視していきたいと思います。